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乾 照夫 ゼミ 平成16年度卒業論文
This is Football.〜12人目の選手への招待〜
伊澤 佐知

大抵のサッカー観戦初心者がそうであるように、ゴール前までボールがなかなか進まない試合は、得点の動かない退屈で面白味のないものだと思うことだろう。おそらくそれは、サッカーはシュートを放って得点を入れた人がヒーローだと思っているからではないだろうか。しかし、サッカーは11人で行うものということを忘れてはいけない。

2004年アテネオリンピック日本代表の山本監督は言った。「15秒」。これは、ボールが選手たちの間をパスでつながれて敵のゴールに入るまでの時間である。しかし、90分の試合の中でこの攻撃を行うには、ただ闇雲にパスを出せばいいというものではない。必要なのは、イマジネーション。選手たちはそれぞれに試合のイメージを持ってプレーしている。次にどこへボールが渡るか、どの選手が攻撃のキッカケを作るか。そのイメージがチーム全体で合わなくては、この攻撃はできない。

サッカーは11人があの広いピッチを自由に動きまわれるスポーツだ。そのような自由な個々が、全員で共通のイメージを持てるようになることを「チームになる」という。観戦する人々もこの共通のイメージを持つことができるようになれば、選手たちと同じく次の展開が自分でわかるようになり、立派な「チームの一員」となれる。

それを私たちは「12人目の選手」と呼んでいる。

サッカーには言葉にできない<何か>を秘めている。本文はそんな「サッカーの魅力」をメインテーマに、12人目の選手となる為に必要な3つのサッカー知識(起源・基礎・戦術)を紹介してゆく。

まだサッカーを知らない人々へ。本文は、これを読んで少しでもサッカーの魅力に心惹かれ、興味を持つ対象にしてもらえれば、と思い記したものである。もちろん、サッカーを知っている人々にも、改めてサッカーの魅力が何であるかを検証する対象としてもらえれば、光栄の極みである。

ようこそ、This is Football!