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笹間 宏 ゼミ 平成15年度卒業論文
高速表示可能な画像形式の開発
松原 祐介

GIFなどの画像形式には"透過色"の概念が存在する。背景と画像を重ね合わせる際に、透明部分として表示させない色を指定する機能である。この設定を行う画像は、その画像を囲む境界部分を透過することが多い。結果として背景画像と違和感のない同化が実現する。本研究の目的は、同様の処理をVisual Basicで実現することである。

Visual Basicは画像処理のための関数としてPoint関数とPset関数を有する。だがどちらの関数もその使用に多くの処理時間を要する。関数への理解とその手軽さにおいては大変扱いやすい関数であるが、その使用には処理時間の肥大が伴う。そこで本研究では、Point関数とPset関数に依存しない画像表示を可能とする方法を提案する。その内容としては、@描画時に要したPoint関数処理の分離と個別化 ALine関数によるPset関数処理の代行、などがある。@の工程であるPoint関数処理の分離によって個別に得られた数値データ群は、現存する画像形式のような独立したファイルとして存在する。そのファイルは、BMP形式の逆の発想を仕様として組み込ませることで独自性の高い構成を成した。Aの処理においてはこのデータ群を参照させ効率的な画像描画を実行する。

Visual Basicの画像処理速度の遅さを補うべく、本研究の画像形式を用いることで比較的高速な画像表示を実現できた。これは"データの合理的な格納とそのデータ参照による一括描画"を実現するためのアルゴリズム構築が成功した結果といえる。ただ、各種問題点の完全克服までは至らず、細部に残る欠陥にはVisual Basicと自分自身の限界を感じさせられた。