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大泉 敬子 ゼミ 平成15年度卒業論文
ジョン・レノンの考えた平和
廣瀬 優志

アメリカの同時多発テロ事件で、"IMAGINE"へのリクエストが殺到した。ジョン・レノンという人物が亡くなってから、すでに20年近くが経とうとしているそのときにである。もしも、彼がこの時代に生きていたなら、何をしていたのだろう。この論文では、ジョン・レノンが何を平和と考えて生きたのか、について考察してみたい。

ジョン・レノンの幼少時代に起きた事件、ビートルズのメンバーとしてのレノン、ビートルズを離れた後の彼。さまざまな事柄が、ジョンを考えさせ行動させた。ベトナム戦争-は、ジョンが生きた時代の中では大きな戦争であった。アメリカ国内でも、多くの反戦デモが行われており、その中にジョン・レノンの姿もあった。その他にも、ポスターキャンペーンや政治家支援など、さまざまな形で平和をアピールし続けたジョンであった。しかしながら、多くの若者の支持を得た一方で、アメリカ政府からは国外退去命令などの重圧を受けることになる。音楽活動を中止したジョンは、5年間というもの、オノ・ヨーコとの間に生まれた子どもの養育に専念した。その後音楽活動を再開したジョンは、すぐに殺害されてしまうのである。

ジョンが亡くなったのちも、彼の影響を受けた多くのミュージシャンが世の中に出ている。GLEYのTAKUROや坂本龍一らは、ジョンとやり方は異なるにせよ、平和活動を行っている。ジョンは、自分が何をすべきかを考えて行動に移して生きた。そのジョンがわたしたちに残したものは、わたしたちが未来のために何が出来るか、今何をすべきかを考えるきっかけである。9・11のテロ事件のとき、アメリカ国民が"IMAGINE"を聴きたがった理由もここにあるのではないか。この先の未来をつくってゆくのは、わたしたちなのだから。