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大泉 敬子 ゼミ 平成15年度卒業論文
チベット問題と中国
春山 拓思

チベット問題とは何か?チベットでは、現在、中国政府主導の政策により、さまざまな問題が起きている。中国人の移住によるチベット人少数民族化の問題、その他にも、差別や環境問題などの問題がある。このような問題は、1949年の中国によるチベット侵攻以降続いている。過去には、大量虐殺、弾圧、諸兄などにより、100万人以上の人が殺されたと言われている。また、宗教や言論の自由は著しく管理されており、そうした自由を唱えると逮捕されてしまう。一例として、宗教では、歴史的にも現在も、実質的に仏教が強い影響力をもち、政治や日常生活の一部となっていることは、論文を読んでもらえばわかるのだが、そこに自由が許されていない意味はとても大きい。中国政府は、それを確信犯的に行っていると思われる。具体的な例をあげるときりがないが、このように、チベットでは現在、多くの人々が、精神的、経済的、人権的に脅かされている。このような問題を、チベット問題という。

チベット問題のひとつの原因は、中国政府が、歴史上、チベットという、民族的にも文化的にも独立した国を、自分の利益のために征服している点にある。そこで、この論文では、はじめに、チベットという国の概要を説明し、歴史を概観してチベットがもともと独立国であったことを証明する。次に、中国のチベット侵攻から現在までの状況を詳しく説明し、中国のチベット政策が誤っていることを、事実を踏まえて証明する。本論文は、歴史的観点にたって、1949年以前と以降のチベットの状況を調べることで、チベット問題をどう考えるべきかを論じるものである。