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西村 明 ゼミ 平成15年度卒業論文
人間のリズム検知限について -ハイハットの裏拍をずらした場合-
浜田 成就

リズムを聴くときは雰囲気であり音色であり何かしらの形で人間は判断をしている。電子音楽においてはシーケンサーの分解能の技術は1小節の中にも非常に細かくタイミングを制御できるようになった。しかし機械が細かく制御できても、人間の耳でそれを聴いた場合はどこからタイミングが違うと判断ができるものなのだろうか。まずリズムにもジャンルが様々でありその雰囲気によっても音の聴こえは変わるので今回はバスドラム、スネア、ハイハットの構成に的を絞り、8ビートの単純なリズムパターンを対象にした。実験ではそのリズムパターンとハイハットの裏拍(偶数拍)を192分音符、128分音符、96分音符、64分音符のずれが生じるリズムパターンと比較してもらう。さらにテンポ(75〜150BPMまでの6パターン)も含めた条件を元に、ずれがないリズムパターンとずれがあるリズムパターンを聞き分けてもらう。実験では行列演算ソフトOctaveにてリズムパターンを合成し、AXB法により8人の被験者に対し行った。実験結果より、テンポはリズムの検知限に影響されないことが分かり、リズムのずれの音符長が短いほうがリズムの変化は検知しづらいことが分かった。しかし、AXB法の偶然性によりテンポの違いによるリズム検知限の差もあまり見られない所も多かった。今後の課題として、テンポを3パターン程に制限し、その分1人の被験者に対して回数を重ねる事で明確な結果が得られるであろう。