現在の日本社会は様々な問題を抱えている。高齢化の問題、資源問題や環境問題、また産業構造の変化とそれに伴う不況や失業率の問題など多岐にわたって発生している。どこから何を解決してよいのかもわからないような難しい時代である。そのような中、地域社会に参加することが大変有意義なものになるのではないか、と考えた。そこには、二つの面からの有意性があるのではないかと考えられる。一つ目は地域に活動の場を作ることで、新たな出会いがあり、また生きがいの感じられる生活を送ることができる、ということだ。こんな時代に家庭、職場、学校以外の世界に何らかの形で所属することは重要な意味を持つことになると思う。このように精神的な面においての有意性がまず一つ。二つ目は今まで行政や企業が担ってきた役割が、今日ではこの二つのシステムだけでは支えられなくなってきている現状がある。このような中で私たち市民が動くことによって、生活の質の向上を目指して問題解決を自ら立ち上がってやっていく、という有意性だ。
本論文ではなぜこのような行動が必要なのか、日本の諸問題を社会学の視点から考えてみた。その中でも特に、家族の問題と地域の都市化問題を取り上げた。そして市民活動について調べ、社会問題と結びつけ、その有意性について考察した。