近年の少子化と、社会人教育や生涯学習に対する関心の高まりに伴い、大学や予備校、研修会社等の教育産業界では、既存の学生以外へのアプローチを強化しており、また、学ぶ側にとっても、自分のライフスタイルに合わせた受講形態(学習スタイル)を望む声が高まっている。一方、インターネットの普及により、ネットワークを利用した双方向の教育が実現できるe-learningのニーズも顕在化しつつあり、今後の教育方法の新たな潮流として期待されている。

本論文は中国大陸、香港、マカオ及び台湾の四つの地域について調べ、ネットワーク教育の歴史と現況に対して系統的な考察をし、内外の環境に対して総合的な分析を行った。また、今後の発展方向に対して科学的な予測を行うため、2001年から2010年までの中国のネットワーク教育に関する発展戦略の思想、目標、戦略の重点、戦略の構造、優先順位等の資料・文献を収集した。

中国ネットワーク教育、発展戦略の構想は、20世紀90年代以降、インターネットが世界に広がり、ネットワーク化、情報化に従って情報社会の形態が誕生し、ネットワーク教育の発展も戦略的な検討が必要とされるほど重大な課題になってきた。本論文では、中国のネットワーク教育の歴史と現況に対して系統的な考察を行い、内外の環境に対して総合的な分析を行った。また、発展の趨勢に対して科学的な予測を行うことにより、21世紀に向けての中国ネットワーク教育について発展戦略の基本的な構想を提起し、そして関連政府部門のマクロ方策を決める際の参考に供することを念頭にまとめた。