大学に入学してから四年の間、インターネットの進化はめまぐるしく続いた。主に視覚と聴覚(操作を含めて考えるならば触覚も)のみで情報のやり取りが可能で、図書館に足を運ぶのが億劫な人も、ネットワーク環境さえ整えば世界中の情報に触れる機会を得ることが出来るようになった。しかし、身体的にハンデのある人たちへの配慮はきちんとされているのだろうか。また、コンピュータに不慣れで、且つ、身体的に機能の低下が多くなってくる年配の方たちへの配慮はなされているのだろうか。コンピュータの環境としてはさほど問題が無い、と思える状態でも、文字のサイズが小さくなり過ぎている、配色の関係で文字が読みづらくなってしまっている、等々、送信側の配慮が欠けているページを見かけることがある。
作り手がWebページの内容以上にデザインやビジュアル表現にこだわり、閲覧者側の「環境」によって、それぞれ多少見え方に違いが生じてくることを忘れてしまうのかもしれない。視力や色覚、聴覚なども個人差があり、厳密に「誰もが」というのは難しいことで、そしてその事をつい忘れ、環境を制限してしまうようなページを作ってしまう。在学中に企業のWebページ制作に参加する機会を得たが、その際にこの点を失念し、指摘を受けたことがあった。以来、自分なりに問題意識を持ち学習してきた。そこで特に注意すべきと思われる視覚的観点からWebデザインを考え論じた。