IT(情報技術)はビジネス環境を大きく変え、テクニカルスキルがビジネスのすべてをリードするかのような風潮さえあったが、最近では、IT化にともなうビジネス構造の高度化、複雑化の中で、スタッフ間やクライアントとの高度で複雑なコミュニケーションを成り立たせていく能力の重要性があらためて注目されている。
本論文では、ITスキルの習得の先にあるものとして、「e」を融合したコミュニケーション能力の重要性と、そうした能力をどのように身につけていくことができるかについて、ビジネス実践のいくつかの局面にそって考察した。ごく当たり前の結論かもしれないが、コミュニケーションが人と人との間で成り立つものである以上、その過程がどのようにデジタル化されてもアナログな部分の重要性がなくなるわけではないこと、そういう部分を欠落させては成り立たないことを、さまざまな面で痛感した。