ケビン・スペイシーは、1959年ニュージャージー州に生まれ、個性派映画俳優として高い評価を得ている。まず、ケビン・スペイシーの代表的な出演作である『セブン』『ユージュアル・サスペクツ』『L.A.コンフィデンシャル』『アメリカン・ビューティー』などを分析し、彼がこれらの作品中でどのような考えのもとに演技を行い、そこでどのような魅力を発揮して、作品への貢献を果たしているかなどについて明らかにしていく。彼に関するさまざまな文献資料、インタビューなどを詳しく調査し、また彼と同年代の俳優達(ロバート・デ・ニーロ、ブルース・ウィリスら)との比較検討において、彼の優れた個性と、そのユニークな位置づけを浮き彫りしていく。このような検証作業のなかで、ケビン・スペイシーのルーツは舞台にあり、そこでユージン・オニールやニール・サイモンなどの古典的名作を演じてきたこと、良い脚本を選ぶ事を重視して現在のキャリアを築きあげてきたことなど、彼の本格派俳優としての見識と力量が形成されていった過程と、その豊かな人間性を明らかにしていく。