写真撮影におけるライティングは、表現の基本に関わる問題であるが、その技術は複雑で奥が深く、容易に理解しにくいものでもある。本論は、写真技術修得の一過程において、ライティングの基礎を学ぶため、人物および商品を被写体とするいくつかのライティングパターンの習作を撮影することで、光による表現方法を研究したものである。撮影には撮影用リフレクターフラッドランプ500Wを使用した。照明光は複数のライトを用いずに、1灯ライティングを基本とし撮影した。プロの撮影ではストロボを使用することが多く、ライトはメインライト、サブライト、エフェクトライトと呼ばれるような複数のライトを用いることが多い。しかし、本論では照明光を1灯と決め、明確な影とシャドー部、ハイライト部を作りだすことに重点を置いて撮影をした。そして完成した写真と撮影時のデータをもとに、被写体にとって最適なライティングのあり方をさぐった。最後に、これからライティングをはじめようとする人やスタジオで働きたいと考えている人にとって最低限必要となる写真用語やスタジオ用語をまとめた「ライティング用語集」を作成した。