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伊藤 敏朗 ゼミ 平成15年度卒業論文
イラン映画の研究
古谷 雅史

現代の情報化社会においては、人間の認識や知識の多くは、実体験にもとづいたものであることよりも、メディアを通じて獲得されることのほうが多い。外国の文化や民族に対して抱くイメージも、その大部分は、映像メディアによってもたらされているものであるが、その表現が的確さを欠く場合には、異文化への誤解や偏見の温床ともなりかねない。メディアにたいして常にクリティカル(批評的)なまなざしを持ち、能動的に関わっていく姿勢-すなわちメディア・リテラシーが求められるゆえんである。本論は、このようなメディア・リテラシーの重要性の認識にもとづきつつ、近年、その水準の高さに国際的注目が集まるイラン映画について焦点をあて、論考したものである。まず中近東の歴史や文化的風土について明らかにしたうえで、アラビアンナイトの昔から、アジア交易によってもたらされたさまざまな情報によって形成されてきた中近東観、その後のハリウッド製冒険活劇映画や、日本の小説・コミック・映画などにおける中近東の描写などについて検討し、日本人が漠然と抱いている中近東のイメージの問題点などについて考える。つぎに、実際にイランにおいて製作され、世界で公開されている映画について研究し、そのテーマや映像表現の特色についてまとめる。イスラム革命前から、革命後、そして現在にいたるイラン映画の系譜や、イランにおける映画製作・検閲の状況など、イラン映画をとりまく環境についても紹介する。このようなイラン映画に関する研究を通じて、メディア・リテラシーの重要性や、メディアを通じた異文化交流の問題点や課題について考察する。