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伊藤 敏朗 ゼミ 平成15年度卒業論文
食べ物をおいしく見せる技術〜シズルカットについて〜
岡崎 友美

広告写真・映像の分野では、食品や料理をおいしそうに撮影し、食欲や購買意欲を刺激するための特殊な表現方法が発達している。本論は、こうした料理写真のなかでも、シズルカットといわれる撮影を専門に扱うフードコーディネーターの仕事について紹介していきながら、人間が視覚をつうじておいしさを感じとるということの心理学的な研究や、そのために進化してきた特殊な撮影技術について調べ、現在、「食」というものがどのように商品化され、広告宣伝に用いられているかについて考察したものである。まず人間の五感をどのように刺激することでおいしさが感じられるのかを調べ、見た目によって食欲がそそられる表現方法についてさぐる。次に、フードコーディネーターの仕事の内容や、「食」を扱うプロフェッショナルの仕事のあり方を明らかにする。そして、これらの研究から得られた知見をもとに、食べ物のコマーシャル映像を試作(自主制作)し、この作品についてアンケート調査をおこない、撮影技術の違いによって生じる表現の相違と、それに対する受け手の感覚の変化について調べる。このような研究をつうじて、映像表現と、食の楽しさ、おいしさの感覚との関係性を明らかにしていく。