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伊藤 敏朗 ゼミ 平成15年度卒業論文
メディアとスポーツ
石井 宏昭

本論は、スポーツとメディアの関係性について研究し、その問題点や課題について考察するものである。古来よりスポーツは、個々人の身体運動であるとともに、大衆が見物して感銘を受けたり、国や地域が覇を競う舞台であったが、近代マスメディアの発達によって、さらに観客層が増大するとともに、その商業的価値が高まってきた。本論では、スポーツの商業化の問題をとりあげ、放映権料の問題や、スポンサーの広告宣伝手段としてのあり方が、スポーツの発展にとってどのような功罪をもたらしてきたかについて検証する。1938年に開催されたFAカップ(イギリスのサッカー大会)で英国放送協会(BBC)が同国サッカー協会に支払った放映権料はわずか5ギニーであった。しかしその後のテレビ放送は次第に多くの視聴者を集めるようになり、スポーツ観戦の楽しさが広まることで、スポーツファンの数も増えていくという関係のなかで、スポーツとメディアの相乗的効果が生まれ、その放映権料が問題化する。それぞれのスポーツがグローバル化をはかって認知度を上げ、商業的にも成功するためには、メディアを利用することは必要不可欠だった。1998年のフランス大会における全世界の視聴者数は340億人に達したが、その放映権料は250億円という巨額に膨れ上がった。このような莫大な放映権料の設定が、はたしてスポーツの健全な発展にとって有意義なものか否かについては大きな議論がある。スポーツは長い歴史とともに発展し、人々に夢と感動を与えてきたが、それが商品化され、価格が高騰していくことについては疑問がのこる。様々な国の人々が様々なスポーツを簡単に視聴できて楽しめるということが重要なことではないかと考える。