第1章人間関係分析
T良い人間関係とは
U悪い人間関係とは
V人間関係の発展
第2章人間関係の築きかた
T人の心をつかむ方
U失敗しない話し方
V人を傷つけない話し方
W人間関係を向上させる忠告
X信頼関係をつくる
第3章好きと嫌いの人間関係
T好かれる人、好かれるとき
U嫌われる人、嫌われるとき
V人間関係における対人感情とは
W人間関係と喜怒哀楽
第4章会社で仕事の人間関係
T"挨拶"が人間関係をつくる
U返事のよさが第一印象を決める
V見て、聞いて、マネをして
W上手なあやまり方
Xコミュニケーションのとり方一つで成果が変わる
はじめに
生きるということは人間関係の処理である。現代では、この世の中で人間が一番こわいと言われる。保険をかけられて殺される人がいる。いきなり凶器で刺される。うっかりすると行きずりの人になぐりかかられることもある。本当に人間はわからない存在だ。だからこわいのである。
もちろん私たちは決して一人で生きているわけではない。私たちの周りにはいつも、自分以外のだれか、家族、友達や恋人、先輩や上司など色々な関係の人たちがいる。その築いた人と人との付き合い関係を人は人間関係と言われる。人の善意が拒絶される、ごくふつうの人が警戒される、どうしてそうなるのか、相手が何者であるかわからないからだ。わからないということは、心を許せないのだ。危害を加えられるかもしれない、だまされるかもしれない、利用されるかもしれないなど、いろいろな不安感が、人と人との心理的な距離をつくってしまうのである。
それにしても、相手に対するこのような気持ちは持っているだけでは通じない。それを他人が素直に受け止めてくれるには、こちらもそれを伝えるための方法を持ち、そのための努力をしなければならない。コミュニケーションは、人間同士がお互いにわかり合う最良の手段である。人間は一人ひとり思想が違い、嗜好も違う。多様な人間が、多くの人とかかわって生きるこの複雑な社会において、波風のたたない平穏無事な日々なんてない。そこには必ず何かが起こる。そういうと、それは、じっとしていないなどと悟り顔に言う人がいる。そうだろか。自分がじっとしていても、まわりが動けば波風がたつものだ。
人間が一人で生きられない以上、大小さまざまな問題をかかえて生きるということになる。もし、人間関係の問題がまったくないという人がいたら、特殊な人であろう。他人に対して、何らか問題を感じさせていることに気づいていない、心くばりの足りない人か、社会人としてはまことに幼いエゴイストかであろう。人間関係の問題は、自分がそう感じていることと、他人がそう受けとっている両サイドの問題があるからである。
人間が悩みをもつということは、けっしてマイナスではない。悩みがあるために人間的成長を遂げるのである。悩みは、竹のふしのようなものだと言われている。竹にふしがなかったなら、少しの風雨にも耐えることができるのである。人間とって同じことで、悩むごとにふしが生じ、しなやかな強さが養われるのではないだろうか。もし、人間にそのようなふしがなかったなら、もろくもくずれ去り、人生の落伍者となるだろう。
感情的人間関係はこのような好意的な人間関係だけではない。これにあい対する人間関係がある。好き、嫌いを含めて、私たちが人間関係をどのようにみているか、人の心つまり相手の人の欲求や感情をどのように考え、とらえ推理しているかを考えていく。人間関係の認知の仕方は好き嫌いを決める大きいな要因となる。またこのような認知の方法を考えることにより人間関係を心理学的にとらえるという視点をもつことができよう。
そして人間関係を考えるということは、結局は自分自身を考えるということに繋がるものだと思っている。複雑な人間関係における"潤滑油"として、あなたにもう一回り大きな人生、仕事を約束するであろう。