目次
はじめに
第1章中国の小売業態とは
第1節大型百貨店
第2節専門店
第3節ショッピングセンター、ショッピングモール
第2章主要商業都市の小売産業の実態
第1節南京:アンバランスの業態構造
第2節成都:トップオンのゲーム
第3節大連:ポジションによる商業奇跡
第4節北京:出遅れた外資系大手
第5節上海:拡張、統合を加速、質的変化を迎える
第6節広州:百貨業時代の後
第3章まとめ
はじめに
まず、なぜ中国小売について論述しようと考えたのかという動機について、今まで小売産業は中国における第三次産業の中でも重要な存在の一つである。しかし、中国では百貨店形式を主とする小売時代はすでに終わりを迎えている。流通する商品の不足による売り手市場の超高利益時代は過去のものとなり、買い手市場そして薄利市場にシフトしてきた。激しい競争の中でどうやって生き残るか、そして、どうやって成長していくかが各小売業者の重大な課題となりつつある。
2002年度中国の小売市場は成長が鈍化した。だが、チェーン式経営企業の実績は引き続き高い成長率を保っている。(表@参照2002年度中国チェーン式経営企業上位100社2003年3月18日に中国チェーン式経営協会の発表による)
中国において各地方政府が地域の商業構造、特に大型商業施設(百貨店、大型スーパーなど)の出店について合理的な計画を立てていない場合が多い。このため小売店舗(百貨店、スーパーなど)過剩に集中することによって、競争が激化され、利益率が下落する頃向がある。なかでも大型スーパーの競争がもっとも激しい。産業全体の競争が激しさを増し、利副を圧迫して中国の小売業界は新たな段階に踏み込んだといえる。