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石井 政弘 ゼミ 平成15年度卒業論文
ブレイクダンスにおける回転動作の研究
佐藤 雄太

本研究では、ブレイクダンスにおいて基本的な回転動作とされている「ウインドミル」(あおむけとうつぶせを繰り返しながら回転する技)について、その原理や特徴を捉えることに着目した。

被験者は本大学の学生で、ダンス歴2年半程度である。この被験者に、縦3.0m、横3.0m、高さ2.5mの空間を想定したエリアで動作させ、それを撮影した映像データをもとにDLT法を用いて分析に必要な画像や3次元数値を算出した。このデータから、ウインドミルにおける各動作局面を分析・考察した。

分析結果から、ウインドミルは大きく分けて3つの動作局面に分類可能であり、さらに各動作局面が連続することで成り立っている回転動作であると考えることができた。各動作局面は、@身体をあおむけにする動作局面 A身体をうつぶせにする局面 B身体を再びあおむけにする動作局面である。ここから更に、各動作局面をそれぞれ分析した。

@の動作局面において、右手(手関節及び肘関節)と身体重心の変化から、初めから0.4秒までほぼ同じ数値を示し、手関節においてはおよそ0.7秒までほぼ同じ変化を示した。この結果から、右手での身体のコントロールというものがあおむけにする際の重要な要素であると考えられた。両脚も円を描くように大きく回転されていた。

Aの動作局面においては、うつぶせになった際に、両脚を身体に引き付けて腰と床との間に空間を作るという特徴が見られた。この状態は「バネ」で例えるならいわゆる縮んだ状態であると言え、腰の高さも回転中において一番低く約18cmであった。この「バネ」の状態を伸展することで作り出す力は身体を返すきっかけを与えていると考えられた。

Bの動作局面においては、身体の状況が@動作局面と似ていることから、これと同様に身体のコントロールがされうつぶせになると考えた。また、全体を通して、両脚は110cm〜18cmと高さの変化が一番大きかった。

ウインドミルは、各動作局面の連続で成り立っている回転動作であると考えられた。特に、身体のコントロール、両脚の回転、「バネ」を作り出す動作は非常に重要なものであると思われる。また、回転中においても身体は絶え間なく変化しており、非常に複雑な動作であると言えるであろう。