本研究は、バドミントンのショートサービスにおいて、経験者、未経験者それぞれ、フォームや各関節角度などにはどのような変化が生じるか、それによってどのような違いが出てくるかを比較、分析したものである。
被験者は経験者1人、未経験者3人の、計4人であり、特に未経験者を被験者A,B,Cとした。分析項目は、右手首の角度変化、右肘の角度変化、重心の高さ変化に着目した。右手首の角度では、インパクト時、被験者Aは約140度、被験者B,Cは約120度、一方経験者は約160度となっていた。また、インパクト前後を通して、被験者A,B,Cはほとんど角度が変わらないのに対し、経験者はテイクバックからインパクトに至るまでに、角度の差が約100度であった。右肘の角度では、インパクト時、被験者Aは約130度、被験者Bは約145度、被験者Cは約125度、経験者は140度となっており、経験者、被験者A,B,Cともに、個人により若干のばらつきはあるものの大きな差はなかった。このことよりインパクト時は経験者、未経験者とも肘を伸ばし気味でシャトルを打っていると考えられる。しかし、インパクト直前において、被験者A,B,Cはゆっくりとした伸展、あるいはほとんど伸展が見られないのに対し、経験者はインパクト直前で急激な右肘の伸展があった。重心の高さでは、分析動作中終始、被験者Aが約89cm、被験者Bが約92cm、被験者Cが約98cm、経験者が約91cmとほぼ一定になっていた。重心の高さは身長による差はあるもののインパクト前後を通してほとんど変わらないという結果となった。