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乾 照夫 ゼミ 平成15年度卒業論文
インディーズの歴史と作品
片岡 洋介

イームズときいたらほとんどの人は椅子のデザイナーを想像する。確かに、イームズのデザインした椅子は有名で、日本でも去年イームズ展が開催されるほど、イームズブームが起こっている。しかし、イームズは椅子だけを作っていた人たちではなかった。椅子のほかにも、子供用の玩具や、住宅の設計、建築、短編映画、展覧会のプロデュースなどでも才能を発揮していたのである。実際、チャールズは自分のことを建築家だと答えてる。「私はまわりに何か問題があれば、それを構造の問題と捉えてしまうんです。構造とは建築です」とチャールズは言っている。構造とは、建築では荷重に耐えられるように各部材をどう組み立てるか、ということで建築家は、重力という絶対的な制約と、予算、法規、敷地、施主の要望といったそのほかの制約を考慮にいれ、構造を考えることである。また、椅子を作ることについて「椅子はまさにミニチュア建築なんだ。建築家にとって建築物をコントロールするのは難しい。工事業者やもろもろ圧力がのしかかってくるし、何をするにも金がかかる。だが、椅子の場合はほぼ等身大で扱える。だから建築家たちは椅子に関心をもつのさ」といっている。

私は、この卒業研究ではイームズの椅子に焦点をあて研究することにした。なぜイームズの作品が今また注目されるのか?をイームズの歴史と作品を知ることで、その魅力を見つけ出そうと思った。

イームズは生まれ持った才能を持っていたと思う。それでも、イームズの仕事は作品製作のプロセスで沢山の試行錯誤が行われる。それに、職人の頑固な一面もあり確立された哲学を感じることができる。このようなイームズの人間味は作品のなかに反映され、ユーモアで温かみを感じる。また、イームズがこれほど成功し有名になった背景には、たくさんの人との出会いがあった。

このようなチャールズとレイの作品を私と同じように関心をもっていただけたら幸いある。