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乾 照夫 ゼミ 平成15年度卒業論文
成田空港史
若林 俊也

筆者は大学1年の頃から成田空港公団、調査事業課の騒音測定員という肩書きで、成田空港周辺の騒音測定に参加してきた。それまで自分が持っていた成田空港に関する知識といえば、「日本最大の国際空港」「反対派による活動がすごかった」といった程度のものだった。しかし、ある程度公団の仕事に携わっていると、騒音測定に関する話から始まり、どのあたりの地区が反対運動をしているかなどといった、普段の生活では知りえない様々な情報を得ることができる。

その中で筆者が疑問に思ったことは、「なぜ現在においても反対運動が継続されているのか」「公団はどんな対処法をしているのか」といったことであった。自分の請け負っていた仕事は、場合によっては反対同盟の関係者が多く住んでいるような地域で騒音の測定をすることもあったので、そのことに関して無知であることはかなり深刻な問題ではないかと思えた。実際には反対派が目に見える形の活動を年中行っているわけではなく、むしろ空港に対して好意を持っているひとも少なからずいることを確認しているので、単なる自分の取り越し苦労なのかもしれない。

しかし、筆者が仕事をしている場所で過去にどのようなことが起きたのか、また、現在はどこに向って動いているのか、そのような疑問が沸きあがってきた。また、空港建設といえば高度に政治的な話のように思える。元々自分は政治問題に関心があったので、成田空港の歴史をたどっていけば少しは日本の政治システムに関する知識が深められるのではないだろうか。そのような動機の下で、筆者はこの題材を選ぶことにした