ここ数年、紙に印刷された文字よりも、パソコンや携帯電話の画面を見ていることのほうが圧倒的に多くなった。自らの紙離れから、情報が紙媒体から電子媒体に移行しつつあることを感じ、出版と電子メディアについて考察することとなった。本論では、この分野の先駆けである奈良産業大学の秋山哲氏の「本と新聞の情報革命」と、自らも印刷会社を営む中西秀彦氏の「本は変わる!」を主な参考とし、出版と電子メディアを二つに分けて論じた。まず、出版から歴史と出版の現状、問題点について述べた。次に電子メディアではインターネットの利用状況から論じ、電子出版とそのカテゴリーである電子編集、パッケージ型電子出版、ネットワーク型電子出版、オンデマンド型電子出版について述べ、最後に電子メディアの最大の問題点である著作権と収入について述べた。携帯電話やインターネットを通じて、いつでもどこからでも情報が手に入るようになり、紙媒体の需要が減少し、電子メディアがコンテンツのCD-ROM化や配信サービスなど、途中経過的なものがまだまだ多いが、さまざまなサービスを行うようになっている。本がなくなるということはないが、書籍の売り上げ低迷の中、制作費が賄えずに、すでに産業として成り立たなくなりつつある。文字情報は今後、紙から電子媒体へと移行し、ネットワーク化していくと考える。