現代、学校は社会的概念から捉えられることも多く、生徒であり直接学校に携わる者、教師として携わる者以外からも「在り方」が問われている。
そこで、自分がもうすぐ学校を外側から見る立場になる前に、直接学校に携わる者の最後の役目として、「学校」というものに迫っていくことにする。
学校を客観的な視点から考察するには何を資料とすればいいのか考えた。それには、学校を物語化してメディアの中に映し出した「学園ドラマ」が適しているのではと思った。学園ドラマは、テレビドラマの一種だ。テレビドラマは、社会に実存する場所を舞台に繰り広げられる物語であり、フィクションとしながらも実社会の影響を受けているところがある。今日では、実に多くのドラマが放送され、他者の生活を画面を通して見ているようである。ドラマの中には、幅広い世代のキャラクターがいる。ドラマの世界でも、もちろん子供は学校に通っている。しかし、学生という立場にいることしか分からない。しかし、多種のドラマがある以上、もちろん学校をメイン舞台としたドラマも放送されている。これが、学園ドラマだ。その中では、ドラマの特性上さまざまな事件が起きる。そのストーリー展開だけに目がいきそうだが、ドラマの中にはメッセージとして「学校」に迫っている要素が詰め込まれている。
そこで、学園ドラマを資料に学校の本質を考察するこの論文の構成は以下の通りとする。
第一章は「学校」と題して、学校の概要的なものに触れ、"一般的に学校とはどんな所なのか"を探っていく。第二章は「テレビドラマにおける学園ドラマ」と題して、学園ドラマの特徴に触れ、"学園ドラマの本質"を探っていく。第三章は「実社会から見たドラマ中の学校」と題して、学校に既成する事項に触れ、どのような作用を持って"物語化された学校は、実社会の学校を映し出しているのか"を探っていく。