私がこのドラフト制度について書こうと思ったのは、ただ単に「なぜこれほどの戦力差があるのか」という疑問からだった。テレビでプロ野球を見ることが多く、その時も自分のひいきにしているチームの応援をしていたのであるが、その対戦チームがそうそうたるメンバーであり、スターティングメンバーを見ると野球を知らなさそうな人でもだいたい知っている名前が並んでいる。この時に思ったのが各球団の戦力格差の問題である。ドラフト制度が毎年行われていることは知っていたが、戦力格差をなくしているといってもこれだけの選手を一つのチームに集められるのはどうしてなのか。また、このドラフト制度自体がどのような制度であるのか。このようなことを詳しく知りたくなったのがこのテーマを書くきっかけになった。具体的な内容としてはドラフト制度の誕生から今日までの経緯、ドラフトに関する問題点などをまとめてみた。このドラフトという制度は調べてみればみるほど単純ではない問題であるということ、いまだに解決されない奥深いテーマであるということを改めて認識させられる形となった。これだけのさまざまな意見や思惑がある中でどれだけまとめることができるのか、この論文を書いた後でも完全な結果が出ることはなかったわけだが、この制度が今後の日本プロ野球人気に大きく関わってくることは言うまでもないことである。今注目されているのは日本のプロ野球ではなくアメリカのプロ野球、メジャーリーグである。現在、日本人選手の海外移籍が話題を呼び、日本でプレーしている選手よりも、メジャーリーグでの日本人選手の活躍を注目することが多くなった。こうした現状の中、日本のプロ野球がアメリカのメジャーリーグに負けない魅力、またはそれに代わるものを持つことは、日本プロ野球にとってとても重要なことである。そのためにも何かを変えなければならないという気持ちが必要だと思う。