横澤 美紀 ゼミ 平成14年度卒業論文
大型表示装置におけるマッハ効果の検討
三浦 広志

視覚研究は、新しい放送方式や画像情報システムを構築する基礎として重要である。明るさ、エッジ効果などの視覚現象は、視覚の空間周波数特性とともに画像の鮮鋭さと密接な関係がある。

視覚研究で取り扱われている分野は視聴覚の心理・生理、画像情報論、色彩論、立体視と立体画像、画像・文字・音声の評価技術、パターン認識や視覚系モデル、認知科学、MEと感覚代行、マルチメディアの心理・生理的影響など、非常に広範囲にわたっている。このように視覚特性に関する研究は多岐にわたって行われているが、マッハ効果については、画面サイズが効果に影響が出るから、あまり取り上げられていない。大型ディスプレイでの影響はあまり明らかにされていない現状がある。

本研究では、大型表示装置におけるマッハ効果を種々の評価画像について明らかにするのが目的である。今回の研究では、リア・プロジェクタとフロント・プロジェクタを用いて、黒と白の画面変化(高さ)におけるマッハ効果を検討した。

画面変化、すなわち白い部分の画面の高さが大きいほど、マッハ効果が人間の眼に検知されやすい結果が出た。これは周囲の黒画面に気を取られ、白画面ではないところで、マッハ効果が現れていると認識してしまうからではないかと思われる。リア・プロジェクタとフロント・プロジェクタの測定を比較してみると、リア・プロジェクタの方がフロントプロジェクタより、マッハ効果などの視覚特性は検知しやすかった。これにより、視覚特性の測定にはリア・プロジェクタの方が適している結果が出た。