ブラウン管、投写型ディスプレイ、液晶、ガス放電、電界発光、発光ダイオード蛍光表示管などを用いた平面ディスプレイなどの受像機を設計するには、再生される画像が良好であるように設計されなければならない。そこでは、どの様な形態であっても必ず画質の評価実験が必要となる。今回は、物理的計測などで評価をするのではなく、映し出された映像を人の目で見て、判断するというレベルでの実験を行う。
作成された評価用映像の評価ポイントとして、赤み、青み、黄みなどの色相、色の鮮やかさなどの彩度、明度、明るさと暗さの対比のコントラスト、解像度、質感の再現、白と黒の純度、色彩の浮きつぶれを主として挙げる。これらの項目を含んだ評価用映像を作成し、各項目をチェックすることにより、映し出したスクリーンを評価する。視聴、評価を数度繰り返し、より良い評価用映像を作成していくことが今回の研究の目的である。既存のプロモーション映像では著作権が発生するため、ディスプレイ評価用映像は自分で作成する。
この実験は既存のディスプレイにおいての表面的な評価であり、機材内部に精通する物ではない。また、画質の欠点の抽出を行うものではないので、画質調整の方法についてまでの説明はない。それぞれその人の主観で色の見方や感じ方は違うし、同じ人であっても、その日の体調や気分、周囲の環境によって見方や感じ方は変化するので、正確性には欠け、また限界もあるということをここで示しておきたい。あくまでも基準程度に、目安になっていればよいと思う。