田子島 一郎 ゼミ 平成14年度卒業論文
現代メディア社会の音楽のありかたについての一考察 〜特に音楽と少年犯罪の関係について〜
望月 雅寿

太古の時代から人間は音楽とともに進化し発展してきた。そして音楽は絵画などどともに人間社会の『文化』としてなくてはならないジャンルとなっている。種々のメディアが発展しているが、音楽もマーケットの一つとしてもその経済効果は計り知れないほど大きい。私も音楽大好き人間であるが、このごろ気になることがある。それは音楽と少年犯罪の関係である。一見あまり関係なさそうだが、現代メディアの一つとして音楽を考えると、その流行ジャンルやメディアの扱いなどの変化と、少年犯罪の傾向が何らかの関連性をもっていると思われるからである。本論文はこのような動機からまとめてみた。

1章では、日本の少年犯罪の増加傾向について欧米と比較しながらデータを分析した。2章では、音楽の観点から日本の経済成長、少年犯罪の低年齢化について、ロック音楽などの例をとって検討した。

3章では、社会学者が「音楽化社会」論を唱えるほどの社会現象となってきている音楽を若者がどう受け入れているのか。ポータブル機器の普及や、いったんマイクを持つと人が変わるということもあるカラオケブームなど、社会的影響が大きいものがある。それらを分類、分析した。4章では、現代における新しい音楽のあり方を、携帯電話の「着メロ」を例にとって考察した。高度経済成長期から日本では少年犯罪が増加した。そのころから音楽のあり方も変わってきたことも事実である。すでに生活の一部となっている「現代」音楽をどう取り入れ文化として消化していくのか、音楽好きの私として今後の大きな課題である。