Public Address(PA)をここでは狭義に、不特定多数の人たちを対象としたイベントなどの音響設備やその技術、またはそれらの担当者とでも定義しておく。1章では、PAの歴史や認知度の変化、人を感動させるPAとはどのようなものかについて述べた。2章では、客が感動するライブの準備方法、運用方法について、リハーサルの重要性、音をサポートする空間の設定、会場作りなどについて、直接担当者に説明できるような具体的な内容で解説した。3章では、音の出し方とミキシング・コンソールの取り扱いについて解説し、4章では、具体的なライブの例をもとに、プロのハウスエンジニアがPAする際に技術的に気を使った事や、考え方などを僕の考えを入れながら全般的に解説した。5章では、PA機器の紹介と選び方について述べた。ここではPAにおいて客に感動してもらう最低限の環境作りについて述べたが、さらに多くの条件があり、技術の奥も深い。これでこの世界に興味を感じてもらうことができれば嬉しいと思う。