田子島 一郎 ゼミ 平成14年度卒業論文
情報化社会の文化的診断
呉 徳済

本論文は、文化とは何かの根本に立ち戻って考察した上で、情報化時代の新しい表現方法について、社会的な変化と技術、そして歴史的な思考になかでの表現方法と、その限界、課題、価値基準について提言をしたものである。「序論」では、文化とは?、情報文化について、情報文化の肯定性と否定性について述べた。2章「情報化の特性」では、そのグローバル化、組織化、資本化それぞれについて参考資料をもとに特性を分析した。さらに3章「情報化の分析」では、情報自身の表現性、公共性、現実性、ルーティン性、そして統合性などについて考察し、情報化には、独自の経済法則があり、技術、特にデジタル技術が特徴的な思考形態を生み出していることが分かる。4章「情報社会」では、21世紀に入って大きな転換の時代が訪れたことを述べている。かっての限られた国家や階層での資本主義ではなく、いわゆるポスト資本主義にグローバルに移行しつつあると考えざるを得ない。創造的破壊が起き、知識革命により新知識人が新しい産業を振興させていく。5章「新しい社会の挑戦」では、新しい時代に生きる自己をいかに成長させ、責任を持って生きることの重要性を述べ、情報化社会では何事においても、今後はグローバルな視野が不可欠なことを強調した。最後に6章「結論」では、個人に革命が必要なのであり、個人が成長するための条件を知り、新しい社会の見取り図を描く中で自分の生き方を見つめる必要があることを述べた。