TVゲーム機は、ネットワーク接続という機能を手に入れてから一挙に可能な遊びの幅を広げた。本論文では、TVゲーム機の歴史を振り返り、その進化の過程と様々なビジネス的戦略を交えながら、ゲーム機とは何かについて述べ、その未来像を考察したものである。
1983年7月、トランプ、麻雀、花札などで有名な任天堂がファミリーコンピュータを登場させ、従来のTVゲームの概念を一転させた。神話とまでいわれ、セガとの差をつけて日本市場を独占するに至った。90年にスーパーファミコンを発売し90年前半を独走した任天堂も、94年の次世代機戦争の幕が開くと、パナソニック、セガ、SCEI(ソニー)、NEC-HE、バンダイなどの追い上げを受け96年には神話も崩壊するに至る。次いで、セガ、NEC-HEもハードから撤退し、00年完全にSCEIにトップを奪われた。PS2の将来、それによる業界の動向が注目に値する。このような短期間のエキサイティングな進化は、通信の高速化や無線化など近年のマルチメディア全般にわたる目覚しい技術革新によるものである。本論文がこれからの進展を見極めるための基礎的な資料となればいいと思っている。