卒業論文の題材を選ぶにあたって、自分自身が日常的に関わっていることについ取り上げ、自動車運転手の視点からの街路景観評価について調査・研究することとした。これは、私自身が車の免許証を持っていてほぼ毎日自動車を運転すること、そして免許を取得して既に4年が経ち、街路景観について自分自身でも知らないうちに評価していたことをきっかけとしている。
まずどうしたら街路景観について他者の評価を知ることができるか考えた。思いついたのはアンケートを採ることだ。アンケートも一度きりではなく、施行錯誤を重ねて徐々に核心をついた結果が出るようにする。まず道路自体について、そして結果を基に街路景観、更に具体的な画像を入れたアンケートを取った。結果としては、やはり適度に街路樹のような自然が道路沿いにあった方が自動車を運転していて快適だと感じる人が多いようだ。最も目を引いたのは「海沿いが快適だ」という答えだった。しかし、街路景観を全く気にしていない人もいた。「スピードが出せればよい」という答えが多かったのも事実である。これも時代の移り変わりなのかと思ってしまった。
アンケートを採って感じたのは人間は何色にどのような感情を抱くのかというところだった。そこで、色彩心理学を取り入れ、アンケートがより確信をつくように工夫した。色彩心理学では色彩の効果、色彩感情も取り上げている。今回の研究で、人それぞれ様々な意見があるということがよくわかった。もっと調べておきたかったのは歩行者からの視点での街路景観評価である。この研究を通して、私はまた一つ違った視点で街路景観評価が出来ると思っている。