電子出版やWeb上で利用される文字の色による感性表現の性質について、基本的な知識の調査とアンケート調査を行い、さらに文字の配色をシミュレーションを行うプログラムを作成した。
第1章及び第2章で研究の目的及び背景について述べた。第3章に、色の基礎的な用語などの解説を行った。第4章では、単色での心理的効果や、色に隠されている性質、イメージなどを文献から調査し、その説に基づく身の回りにある色を集めた。第5章では、年齢や性別の違いでどのような色が好まれているのか、実際にアンケートを実施し、好みの傾向を探り、さらに文献による現在の説と照らし合わせるなどの分析を行った。全体的に明度の高い色が好まれ、低い色が好まれていないことがわかった。第6章では、色相や、明度、彩度、トーンそれぞれを基準にした配色方法などを載せた。また、イメージキーワードからの配色例など紹介し、実際に使われている事例などもいっしょに載せてある。そして、以上にことを基に、看板や、パッケージ、WEB上、紙面それぞれにおける文字配色の重要点などをまとめた。それぞれの媒体が、どのようにどういった場所から見るかによって配色を工夫する必要がある。より遠目でみる看板などは、背景と文字の色の差を確保する必要がある。近距離で見るWEBや紙面などは、背景と文字の色の差は、あまり気にする必要がないが他の類似品などと差別を計るために、色の組み合わせは工夫しなければいけない。また、そのものの目的などを把握し、それに見合った配色をしなければいけない。第7章では、配色提案システムを制作し、その概要、説明などを載せた。これから制作する媒体を見てほしい年代、性別から色を選択し、その色に組み合わせたいイメージ語を選択すると配色例が表示されるプログラムである。