大泉 敬子 ゼミ 平成14年度卒業論文
HIV/エイズ問題 〜社会的弱者と協力体制の現状〜
石橋和彦

HIV/エイズ問題を通して「平和」を考えてみた。本論文の構成を説明する。第1章では、HIV/エイズ問題とはいったいどういう問題なのかを述べている。第2章、3章では、実際に途上国と先進国ではどのような被害が出ているのであろうか、また共通点や異なる点はあるだろうか、ということについて述べている。そして第4章では、今のHIV/エイズ問題に対する協力の体制を取り上げ、今後どのように取り組んでいけばよいのかを述べた。今日の世界においてHIV/エイズという病気は人々の生命の危機を脅かす脅威となっている。世界人口の約1割が住んでいるサハラ砂漠以南のアフリカ地域では、全HIV感染者の約7割がそこに集中しているといわれている。このように途上国におけるHIV/エイズの被害は深刻である。そこには「貧困」とHIV/エイズの結びつきというものが存在した。一方、我々が住む先進国でもHIV/エイズは猛威を振るっていることはご存知であろう。そこで、途上国と先進国を比較してみた。先進国と途上国ではHIV感染の仕方、感染拡大の要因の2つの点が大きく異なっていた。そしてHIV/エイズという病気は「貧困の病」「文化の病」であるという結論に達した。そして最後に、HIV/エイズとは他の様々な問題と結びついているために、政府、NGO、国連をはじめとする様々な機関の協力なくしては解決できない問題であった。このHIV/エイズ問題には、「平和」を考える上での色々な問題が潜んでいた。