近年パソコンの普及や性能の向上により、映像作品を個人で制作することが容易になってきておおり、制作に携わる人の数が確実に増えつづけている。しかし、映像を制作すること自体が容易になったからといっても良い映像を容易に作れるというわけではない。また映像は作者のイメージを視覚的に表したものであるが、その表され方、という点で到達度の高低が生じる。その判断は人間の目が捉えた視覚情報を脳が感覚として捕らえ、感性というもので評価するのであるが、それらにいくつかの基本的な法則性が見つけ出されている。で映像を制作し表現する上で注意すべき基礎や法則について、分類しまとめた。
色、光、動きの三つに分類し、それらの分類ごとにオリジナルの図版を多数添付し、見る側の立場から、どう見えるか、どのような印象を持つか、という観点で考察をおこなった。また、動きの表現については、重力の影響、慣性の法則、摩擦、また運動を起こす前の予備動作や、人間の関節の制約等の理解なくしては、リアルな動きを作り出すことはできない。また2Dアニメで培われてきた、誇張した表現にも触れ、しっかりした基礎の上にある高度な映像表現が見る側の印象を左右する例を挙げ論じた。