小宮山 隆 ゼミ 平成14年度卒業論文
XMLのユニバーサルフォーマットの可能性
山口 裕幸

B to B(ビジネストゥビジネス)が進む今日の社会では、コンピュータ同士の情報の共有化は重要な問題となっている。コンピュータを使いインターネットを通じてデータのやり取りがスムーズに行えるようになったのはHTMLを用いてデータを記述するようになったことが大きく関係している。HTMLが無かった時代はコンピュータを用いて作成したデータを他のOSを搭載したコンピュータで読むことができなかった。それゆえ、HTMLは非常に素晴らしいものとして世界に受け入れられた。かつてはコンピュータごとにデータの記述方式があり、相互に互換性がなかった。

インターネットが発達し、HTMLの書式が普及しだすとデータの共有化は爆発的に進んだ。地球の裏側にある自分のパソコンとは違うOSのコンピュータの作成したデータでもアクセスし、内容を確認することができるようになった。データの共有という第一の目的は達成できた。しかしHTMLは文書の論理構造という点で劣っており、徐々にその限界が見えてきた。これはHTMLの規格が、ブラウザで表示したときのページのデザインに仕様の多くを使っており、その文またはデータが何を示しているのかといったことを、うまく表現できないためである。XMLの普及は急務なのである。

XMLが普及するにはブラウザが新しくなるか、XMLの派生規格であり、HTMLの最後のバージョンといわれるXHTMLが普及することが必要だと考えられている。XHTMLはXMLの派生形式だが古いブラウザのことも考えて作られており、古いブラウザでも表示できる。

私はXMLのユニバーサルフォーマットの普及について、XHTMLを含む派生規格のタグの共通化が鍵であると考えている。自由にタグを作れるのが特徴のXMLで、なぜタグを共通化する必要があるかだが、一つはデータの共有化を促進するためである。同じ商品名データであることを意味するタグが、いくつもあってはビジネスで活用しようと思ってもなかなかうまくいかない。業界ごとに固有のXML規格が作られていることが、なによりの証拠である。二つ目にいえるのはXMLの普及を促進するためである。現在ホームページを記述しているのはほとんどHTMLである。XMLのページも徐々に増えてきているものの、全体の量から見ればごくわずかである。XMLは自由にタグを作ることができるがHTMLに読めるタグで書くことが望ましいと思う。XMLは使い勝手が良く、ユニバーサルフォーマットの概念が良く活かされている規格である。しかし多くの人は現在のHTMLに満足しており、XMLが良いと言われても新しい規格に乗り換えるという人は少ない。XMLとそれを活かしたXHTMLの普及こそ今必要なことではないだろうか。ユニバーサルフォーマットの利便性を最大限に活かすにはデータをタグが共通化したXMLで記述し、そのデータをホームページなどに書き直す時にはXHTMLで記述する。このような形態をとることで、XMLは発展していく可能性を持っていると思う。XMLが普及することでデータの共有化がますます進んでいき、情報の利便性が最大限に発揮されることを望みたい。