小宮山 隆 ゼミ 平成14年度卒業論文
GPSと未来の社会
宮原 陽一

カーナビを代表に、携帯電話にも搭載されるなど、幅広い分野やサービスに活用され、現在、その高い注目度とともに、現代社会にひろく普及し始めたGPS。GPSとはGlobal Positioning Systemの略称であり、広域位置表示システムのことである。

GPSの基本的な測位のしくみは、専用のGPS衛星が、上空2万キロメートルの位置に、地球の赤道面に対して55度傾き、60度ずつ異なる6枚の軌道面に各4機ずつ、合計24機および、現在ではそれに3機を加えた27機が打ち上げられており、そのうちの3つの衛星を、ユーザー側の専用の受信機により常に捕捉し、その3つの衛星から送られてくる電波から自分の現在位置を割り出す、というものである。

現在では、カーナビ自体が車における標準装備のように認識されており、G-BOOKなど、様々な独自のサービスも展開され始めている。このように、人々は、GPSの機能をカーナビを通して知らず知らずのうちに活用している。最近では、携帯電話にも搭載されるようになった。その名も「GPSケータイ」というサービスで、ここではじめてGPSという言葉に触れた人も多いと思われる。

携帯電話と結びつくことにより、今まではドライブをする時専用というような、限られた使用範囲だったGPSが、よりカジュアルなものとなり、より手軽なアイテムとして、人々の生活に溶け込んでいくという期待もよせられている。

GPSとは、元々は、アメリカ軍のために開発された技術であったが、それが、後に船舶はもとより、飛行機の運航にも利用されるようになり、そして、より広く一般的な人々にも解放されて現在に至っている。

GPSは、GPS本来の、位置を割り出すという以上のことはできないが、将来的には、現在提供されている様々なサービスの進歩とともに、より広い範囲に、そしてより細かいところにまで活用されていくことを期待したい。