小宮山 隆 ゼミ 平成14年度卒業論文
インターネットの危険性 〜セキュリティへの意識〜
関 修二

現在、インターネットは日本で約4,600万人(2002年2月末時点)、世界では約5億7,586万人以上の人々(2001年末時点)が利用している。

インターネットは企業間の取引やオンライントレード、オンラインショッピングや音楽・映像の配信など、仕事や生活に欠かせないツールになりつつある。ADSLや光ファイバーなどの高速な回線を使った常時接続が安価に提供されるようになり、ユーザーは快適なネットサーフィンを楽しむことができるようになった。

しかし、ユーザーの増加につれて、犯罪の件数も増加を続けている。便利さのみを追求しているために、ユーザーのセキュリティへの意識は低い。購入した状態で利用を続け、既知のバグやセキュリティホール、ウィルスなどに対する対策を行っていないことが多い。

インターネット上では、さまざまな落とし穴がユーザーを待ち受けている。有名なものには、Java AppletやActiveXなどを使ったものがあるが、危険なものは他にもたくさんある。何らかの対策を採らなければ、すぐに被害にあってしまうだろう。

また、ウィルスなどによる被害も拡大している。最近では、プロバイダー側でも対策を取るようになってきてはいるが、ネットワークを介さない方法で感染することもあり万全ではない。

多くのユーザーが自分は被害に遭わないという考えで、これらに対して無防備な状態でいるのではないだろうか。

攻撃をする人間は、インターネット上だけでなく、現実の社会で情報を集めることが多い。ソフトウェアを導入し対策を採ることは必要なことだが、一番単純なものはソーシャルハッキングであることを忘れてはならない。ネットワーク上に気を使っていてもそれだけではいけないのだ。

ファイアウォールを使っても内部のサーバを直接操作されたり、パスワードを変えてもメモに残し、さらにはコンピュータのそばに付箋紙で張ったりなどということをしていては、セキュリティ上、何の対策にもならない。

インターネットの世界は特殊な空間である。仮想現実の世界ではあるが、そこに係わっているのは実際に存在する現実である。不用意に送信した情報が、現実にまで響いてくることもあるのだ。善意のユーザーだけならばいいが、悪意を持ったユーザーもいることを忘れてはならない。コンピュータの設定を見直すと同時に、意識の面でも改善をしていく必要があるのではないだろうか。