現代ではインターネットの普及により、世界中で電子メールのやりとりや、世界各国のWebページを閲覧することが、ごく普通に行われている。インターネットへのアクセスは、今や比較的簡単に誰でも行うことができる。
日本ではADSLをはじめとする常時接続・高速・大容量のブロードバンドサービスも急速に普及し、ネットオークション、ビデオチャット、オンライン対戦ゲームなど、インターネットの便利さや楽しみは拡大し、ユーザーは増える一方である。
しかし、その反面、コンピュータやネットワークを破壊するウィルスや、個人情報を盗み取ろうとする不正侵入など、インターネットを舞台にした悪戯や犯罪が増えている。問題なのは、インターネットが現代生活のライフラインの1つともいうべき存在になっているにも関わらず、利用者の多くがインターネットのリスクに十分な備えをしていない点である。
電子メールにはプライベートな情報が書き込まれ、オンラインショッピングをすればクレジットカードの暗証番号を入力しなければならない。そうした情報が悪用されれば、どのような事態が起こるかは容易に想像がつく。インターネットには、悪質なウィルスを作成してばら撒いたり、コンピュータに侵入して個人情報を盗み取ろうとしたりする犯罪者が潜んでいる。セキュリティについては誰もが当然のごとく注意を向けなくてはならない。個人ユーザーが利用するインターネット環境も、時間が経つに連れ整備されてきたが、個人レベルでのセキュリティの意識は低く、セキュリティに関する被害も増大が懸念される。
そこで今回の卒業研究では、不正アクセスやウィルス、そしてユーザーを危険にさらす可能性のある様々なセキュリティーホールについて調べ、それに対する対策を検討することを通じて、一般ユーザーの情報セキュリティに関する知識を高め、インターネットをより安全に快適に利用できる環境やネットワークを築く一助となることを目指して、研究を進めた。