今、一番身近な通信機器であり、「持っていないと不安で普通の生活ができない」という人が出るくらい影響力がある携帯電話。そこまで日本で普及し浸透した理由の一つにiモードの存在を忘れるわけにはいかない。ヨーロッパで生まれた携帯電話が遠い島国でとんでもない進化を遂げたわけである。そして、そのiモードが今度はヨーロッパ、アメリカに輸出されようとしている。
本論では、iモードにスポットを当て、「なぜ日本で生まれ、流行したのか」という疑問を解明し、このようなコミュニケーションツールが人々に受け入れられる理由を考察し、海外でのiモードの近い将来を予測したいと思う。
さて、携帯電話そしてiモードの普及、浸透について、キーワードとなったのは文字によるコミュニケーションと女子高生文化、そして周りと同化したがる国民性であったと思われる。日本では、流行の面で女子高生という世代がとても大きな影響力を持っている。女子高生を中心にポケットベルから始まった文字によるコミュニケーションが既に世間に広まっていたことが土台となり、(ショートメールの出来る)携帯電話が普及し、エンターテイメント性を追加したiモードが誕生した。同時に当時ドコモが圧倒的加入者数をほこっていたことも、急速な普及につながった。そして携帯電話(iモードつき)は、今や「携帯電話中心の生活」といわれるほど、私たちのライフスタイルに「革命」をもたらすに至ったのである。
また、海外でも一部ヨーロッパでは既にサービスが始まっており、スタートとしては成功といっていいようである。ヨーロッパでのスタートダッシュ成功の事例も踏まえつつ、アメリカ、ヨーロッパでの今後について予測・検討した。