今日のシンセサイザー(電子楽器)における音源合成方式には減算方式、加算方式、乗算方式、サンプリング方式、これらを組み合わせた複合方式などがある。本研究ではサンプリング方式に注目し、実際にMATLAB、cooleditといったソフトを使いサンプリングした音と、生の楽器音の違いを比較し、問題点を整理した。サンプリング合成は生の音を基本にしているので、ほかの合成方法よりは楽器らしい音の合成ができるはずである。しかし、単純に合成した音はやはり生の音とは少し異なって聞こえてしまう。なぜそういった結果になるのかをスペクトルの違いなどから考察した。その結果、生の楽器らしい『音』をつくるためには、揺らぎや、微妙なエンベロープの変化といったことがとても重要であることが分かった。