DVDやホームシアターシステムの登場により、マルチチャンネル再生は身近なものとなりつつある。従来の2チャンネル再生にない魅力のひとつとして、立体的な音の「移動感」が再現できることが挙げられる。そこで実際にステレオと比較してどう違うのか、収音条件の違いによってどのような影響があるのかを比較試聴するための評価音源を作成した。録音場所には学生会館の多目的ホールを利用し、帯域が広く、分布が比較的人の声に近いといわれているピンクノイズを音の発生源に使用し、収音条件を変えて音源が移動する状態を録音した。移動条件としては、一般の音楽のようにステージの範囲を動く状態、および環境音再生のようにマイクロホンを中心に周囲を移動する状態の2種類を選んだ。また、最後にこの評価音源を用いて、印象を比較した。