川口 信行 ゼミ 平成14年度卒業論文
学生運動史における全学連・全共闘の役割と現代の学生気質
堀江 泰司

学生運動に関心を抱いたのは、浅間山荘事件がテレビ放映され、その映像を見たことによる。彼らは何のためにあの事件を起こしたのか。ひるがえって1960年代、70年代に吹き荒れた全学連、全共闘などの学生運動とはいったい何だったのか。いずれも主役は私たちと同じ大学生である。歴史を調べていくと、集団的、組織的に行動する学生運動が、幅広く反体制・反権力闘争の先端を担っていたことがわかる。60年安保闘争、ベトナム反戦、「大学解体」の叫び。一方、離合集散し、セクト化し、過激化していく学生組織。その背景には図式化された階級闘争論があった。今は学生の政治離れが起こり、現実主義化・保守化がいわれる。学生の大衆化、意識の多様化、時代状況の投影などが、その要因として考えられるが、これは必ずしも悪いこととも思えない。なぜか。