数々の公害が物語っているように、企業活動が、自然環境に回復不可能なまでのダメージを与えてきた。従って今や各企業は、環境リスクを乗り越え生き残るためにも、自主的な環境戦略を立てる必要がある。それも事後対策としての環境コストの計上ではなく、事前に対策コストを組み込み、製造過程を改善し、汚染を防ぎ、省エネ・廃棄物の削減に心し,企業のイメージアップを図り、資金調達を有利にする、といった戦略的投資が重視される。その上で、環境コストがどのように使われ、環境負荷がどのように削減されたかを数値化して定量的に示し、分析し、公表する仕組みが求められている。これが環境会計といわれるものだが、その実態を日本IBMとリコーについて検討してみた。