今日、メディアリテラシー教育の必要性が強調され、その実践的理解のための映像制作教育の意義が注目されている。わが国では、その役割の多くをアマチュア映像作家のために刊行される幾つかの専門雑誌に負ってきたが、小型映画においては、褐コ光社の月刊『小型映画』(昭和31年5月〜昭和57年10月、通巻363号)が、その中心的存在となり、アマチュア映画界のオピニオンフラッグとしての役割を果たした。同誌の総合目次を作成し、映像制作教育という観点から内容分析を行うことができれば、今日のメディアリテラシー教育にも有用な教育体系の確立のための大きな示唆が与えられるものと考えられる。本研究では、そのための基礎データとしての総合目次データベースの作成をおこなった。また、記事データを電子化し、Web上で閲覧するための方法論についても検討した。本研究の成果によって、「小型映画」の歴史的・教育的役割について検証し、その位置付けと再評価をおこなうことが可能となり、映像制作教育の体系化のための基礎的資料とすることができたと考えられる。なお本稿は、東京情報大学平成14年度共同研究「雑誌『小型映画』における映像教育の体系に関する研究」(伊藤敏朗ほか)において、データベース作成補助業務担当学生として実施作業にとりくんだことの成果物である。