石井 政弘 ゼミ 平成14年度卒業論文
前転とびの助走歩数と振りあげ足の関係について
井上 大輔

本研究は、体育レベルの被験者2名と過去小学6年間体操経験のある被験者1名を選出し、助走歩数を1歩から6歩までの助走歩数で前転とびを行わせ、助走歩数と振りあげ足の関係があるのか。さらに何歩がもっとも有効なパフォーマンスをしているのかに着目し実験を行った。助走は、次の技への回転動作を助け有利なパフォーマンスを行うことのできる大切な動作である。そして、振りあげ足は素早く高く上げることにより、腕の素早い突き放しと踏みきり足の動作が同調し、有利な状態で着地ができる。振りあげ動作の勢いがないと結果的にショックあるでん部から着地し危険である。

助走歩数と振りあげ足の関係では、被験者A・Bとも、あまり変化は見られなかったが、被験者Cは、わずかではあるが、助走歩数が増すごとに早いタイミングで離地していた。体操競技的な評価として、被験者3名のもっとも高いパフォーマンスをしていたと思われる歩数は、被験者Aは3歩、被験者Bは5歩、被験者Cは6歩であった。これは、振りあげ足の高さにおいて、他の歩数よりも、もっとも高く、振りあげ足の速度が、もっとも加速していたからであると考えられる。